世界最高速

日頃から、速い電車が好き！と言っていますが
その実、必ずしもそうとは言えない存在があります。
どうしても好きになれない、
いや、むしろどちらかというと嫌いな列車が。

銀色に輝く車体に青いライン、（緑と赤も混じってます）
専用軌道を走らせたら、速度世界一の鉄道とも言われる
例のヤツです。

…
……

コイツです！

ヘボイ写真ですみません、
旅行スナップのプリントをスキャンしたら画質も悪いし
そもそも顔だけってどうなんですか!?
と自分で突っ込みたいです。スミマセン。

とりあえず旅の途中ですし、こういう所って危険なんですよ。
と、言い訳をして始めさせて頂きました。
はい、にっくきTGVです。この素敵な駅舎はパリ・リヨン駅です。
かの有名な、ベル・エポックのレストラン、
ル・トラン・ブルーの正面あたりですね。

速いけれど、居住性に欠けるTGVは500系のライバルでした。
もう、その狭さは500系どころじゃないです。
しかも車窓の景色と来たら、酔います。
専用線のかなりの部分が、少なくとも私が乗った区間では
農地を削って作った堀のような所を通っています。
新幹線の高架ならば、近くの電柱は見られなくとも
遠くの家や山なら楽しめます。

しかしコイツの専用線は堀の底、
掘割の斜面が牧草地になってたりすると最悪です。
至近距離で牛や馬が時速300キロで後方へと飛んで行きます。
だから誰も外を見ていません。
狭い座席で本を読んでいたり、仕事をしていたり。

ICEのように食事を席まで運んでくれたりしません。

これは一等車。四つ葉相当です。でもこんなモンです。

.
でもこんなTGVにも好きな所もあります。
ある時、入線して来たTGV、前消灯から尾灯に変わっ…
あれ、変わらない。と思ったら、
ジャンパー姿のオジサン（実は運転士）がやって来て
かぱっ、とフタを開けて電球交換。
カッ！と尾灯が付きました。いやー、アナログだ。

アナログ故、好きなのはこちらも同様。

これは二階建てのTGVデュプレクスなのですが、
“旧植民地から来た”風のアフリカ系の人達がやって来ました。
長い棒を持っています。手には白い布。

そうなんです。清掃係の人達なんです。
折り返し運転となるまでのその間に、
リヨン駅のホームで掃除開始です。
デュプレクスですから、長いモップが必要なんですね。
……なんで手作業？

JRでも車両基地みたいなところで、
たまに手で拭いていたりするのを見ましたが
コレ、TGVなんですけど。
言ってみたら、東京駅で
N700を人海戦術で雑巾がけしてるようなもんですよね。
ミスマッチもいいところです。

でも兄さん達、楽しそう。
撮れ撮れ、と合図するんですよ。
１人、もうこっちを向いちゃってますよね。
すっごい話し掛けて来るんですよ。
いや、ボンジュールとメルシーと
ジャンボン・シルブプレ（ハムの下さい）
しか喋れないんですけど。いや、マジで。
あ、フロマージュ・シルブプレ（チーズ下さい）も。

何気にムカデ列車だそうです。写真はディジョン駅。
簡単に併結できるので、使い勝手もよさそうです。
基本的に指定席予約が必要でした。