ぬれ煎の銚電
地方の電鉄会社を
ローカル線と呼んでしまうのも忍びないんですが
私鉄の中にも様々な地方路線があります。
…余談ですが、私鉄と言うのは一般の言い方なんです。
JR関係の方は「民鉄」と呼ぶことが多いようです。
と、お話を地方基盤の鉄道会社に戻します。
こういった地方の鉄道会社は多かれ少なかれ、
厳しい経営状況に置かれていることと思います。
そんなローカル私鉄の多くは生き残りを賭けて
それぞれがオリジナリティを出そうと試みていますし
こういった路線を旅するのも
JR路線とはまた違った味があって楽しいものです。
首都圏周辺のそんなローカル私鉄として、
最も有名な会社の一つに銚子電鉄があります。
千葉の銚子電鉄は、千葉県銚子市に鉄道路線を有する鉄道会社で、
「銚電」と呼ばれ、親しまれています。
総武本線の終点・銚子駅から、さらにその先端にある犬吠埼を巡り、
漁港のある外川まで6.4kmの道のりを
19分かけてのんびりと走るローカル私鉄です。
かつてNHKの連ドラ「澪つくし」に何度も登場しましたので
レトロなその姿を憶えていらっしゃる方も多いかもしれません。
この銚子電鉄ですが、1998年6月に何億もの負債を抱え込み、
自己破産申請を行い事実上倒産しました。
元社長の業務上横領事件が発覚したことで、
千葉県と銚子から鉄道会社への補助金を停止され、
要因となって、鉄道の経営悪化になったわけですが、
当時、テレビなどでも大きく取り上げられました。
資金不足の窮状と支援の要請を呼びかけ、
銚子名物の醤油を用いた「ぬれ煎餅」を
銚電名物・ぬれ煎としてアピール、これらグッズの売り上げも
まだまだ鉄道事業の赤字額には及びませんが、
それでもこの赤字をいくらか補うまでになっています。
このようにして地元の人たちや多くのファンやサポーターにより、
鉄道経営の存続を果たしました。
銚子観光の魅力は、なんといっても豪快な海岸線の美しさ、
おいしい新鮮な魚が食べられること、そして素朴さなどです。
利根川が太平洋に注ぐその河口のある街で、
雄大な大平洋を望む力強い風景や
豊富な水揚げを誇る漁港と魚市場、
古くからの特産品の醤油を作る工場、
そして太平洋を航行する船の守り神となる犬吠埼灯台など
見どころも盛りだくさんです。
銚子駅から徒歩7分の所にはヤマサ醤油の工場があり、
事前申し込みで工場見学をすることも可能です。
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追加:
こんな記事が出ていました!
「ぬれ煎餅」銚子鉄道2年連続黒字 「観光鉄道」へ転換図る | エキサイトニュース
資金難から経営危機を迎えている銚子電鉄(千葉県銚子市)だが、ウェブサイト上で「ぬれ煎餅」の購入を呼びかけたところ注文が殺到し、あっという間に全国的に知られることになった。乗客も増え、会社全体としても、2年連続での黒字を記録した。だが、設備の更新などが目前に控えており、まだまだ予断を許さない状況だ。利用客の多くが観光客だということから、今後は「観光鉄道」として生き残りを図りたい考えだ。
すっかり観光鉄道としての道を歩き始めたようです。
それにしても、バスツアーまで来るとは恐れ入りました。
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