TEE ラインゴルト「ラインの黄金」号

ラインゴルト パンフレット
私にとって、「鉄道」というものを
記憶に刻み込んでくれた最初の存在が0系新幹線だとすれば、
「旅を楽しむ為の鉄道」を刻み込んでくれたのは
かつてのトランス・ヨーロッパ・エクスプレス TEEでした。

本当にたまたまですが、子供の頃、
西ドイツ国鉄のフラッグシップトレインとも呼べる
TEEラインゴルト(ラインゴールド)に乗りました。

TEEというのは、その昔、裕福な階級のみが乗っていた鉄道を
ビジネスの為に乗ってもらおう、というコンセプトのもと
誕生した、現在のユーロシティ/インターシティの前身です。

それが年月を経るにつれ、
TEEは優等列車としての色合いが濃くなったため、
時代の変化と共に廃止となってしまいました。

日本で鉄道好きな人が「ボンネット型のこだま」とか
「新幹線じゃない、昔のつばめ」と聞いた時に感じるような
そんな郷愁と愛情を、ヨーロッパの人は
TEEというものに対して持っているようです。


「ラインゴルト」というのはワーグナーの楽劇、
「ニーベルングの指輪」4部作の序夜の「ラインの黄金」です。

かつて、TEEはフランスの「ミストラル」などに代表される
各国の誇る優等列車の競演となっていました。
全車1等車のみの編成、全列車昼行便、そして豪華な供食設備。
ビジネスの為の列車は同時に裕福な階層の、
余暇を楽しむ為の列車でもありました。

このラインゴルトの運行は1965年から87年。
80年代の宮脇俊三さんの記事によると
全車コンパートメントで、時速は平均150キロ/hほどでした。
(パンフレットには160キロと書かれています。
宮脇俊三さんはドイツで「どれが一本を選ぶとなれば、
この列車をおいて他にはない。」と書かれています)

始発駅はオランダ、アムステルダム。
そこから列車はやがてライン川にそってドイツへ入り、
スイスのバーゼルへと至ります。
ライン川のほぼ源流から終点迄を辿る(逆ですが)
「ラインの黄金」に相応しいルートですが、
6月2日から9月29日までの夏季ダイヤではマインツで分岐、
分岐したもう一つのルートはハイデルベルクからウルム、
ミュンヘンを経て、オーストリアのザルツブルクに至ります。
ラインの黄金はバイロイトではなく、
モーツァルトとシュトラウスの夏のザルツブルクへ着くのです。

.
写真はドイツ国鉄のパンフレット。
フラッグシップトレインだけあって、カラー印刷された
各国語表記のパンフレットが用意されていたようです。
なぜかイタリア語と日本語がセットです。

表紙にはあの「ユデタマゴ」、103形が写っています。

ラインゴルト パンフ中
パンフの中もレトロ〜

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カテゴリー: ドイツ・オーストリア, 海外の鉄道 — 詠 8:34 PM  
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6 件のコメント »
  1. な、懐かしい(笑)。
    わたくしめでございますが、列車の中からライン川を見たこともあったりします(笑)。
    #どう違うのかは不明ですが、乗ったのは、青一色と緑一色の客車でした。
    で、このTEE、実物を見たことがありますが、残念ながら乗ったことはございません。
    ただそれだけです。
    ゴミまき失礼しました。

    コメント by Katsura Syojaku — 2009 年 2 月 22 日 10:56 PM
  2. Katsura Syojakuさん、こんばんは。
    レスが遅くなりまして申し訳ありません!
    青系統の車両と言う事でしたら、
    きっとIR(インターレギオ)だと思います。
    IRの最近の車両はとてもきれいで機能的で、
    ICより良い車両じゃん!…という事も多い気がします。
    TEEは非効率だとか、コスト高だとかでICだとかEC、
    またはTGVなどに代わられてしまいましたが、
    旅情があっていいですよね〜
    ではでは、コメントありがとうございました。

    コメント by 詠 — 2009 年 2 月 25 日 10:32 PM
  3. わたくしめが乗りましたのは、今から30年以上前(某元首相が某事件で逮捕された頃だったりする(←某が何かはバレバレですが^^;;))のDBの普通列車でございます。
    もうだいぶ記憶も薄れてますが、細かい違いまではわかりませんが、大概は青一色と緑一色の客車が混じっていました。車内は側廊下式のコンパートメントで、側窓は上側が少しだけ内側に開くものだったのを覚えています。
    もう30年以上経ってますから、その当時の車両は現存していない可能性が高いと思いますが…。
    #全部かどうかは記憶の範囲外ですが、1等車が連結されてたのもありましたが、乗ったのは全て2等車でございます。

    コメント by Katsura Syojaku — 2009 年 2 月 25 日 10:59 PM
  4. 30年以上前ですか…失礼致しました!
    確かにTEEの時代ですものね、はい。
    うーん、だとすると70〜80年代はTEEとICの一等車は赤、
    (ラインゴルトは紫っぽい)、
    それ以外の二等車は全てブルー(とクリーム)だったので、
    (それ以前はダークグリーン)二等車の青なんですね。
    IRだと1両一等車が混じっていたりして塗り分けられてますが。
    私も記憶がおぼろげでスミマセン。

    コメント by 詠 — 2009 年 2 月 25 日 11:36 PM
  5. はじめまして。
    このラインゴルトが大好きで、会社名も英語読みでラインゴールドと付けてしまいました。超弱小デザイン会社なんですが・・。
    もちろん実物は見ることは出来なかったのですが、雑誌等で見るあの流麗なデザインと色合いが何とも最高でした。DB103形もDB標準色の赤一色に塗られた時はがっかりしましたが、数年前にケルン機関区で原色塗装機を見かけたので、今だしっかり保存されてるのが確認できて安心した次第です。

    コメント by line — 2009 年 3 月 2 日 7:26 PM
  6. lineさん
    こんばんは、はじめまして!
    コメントありがとうございます〜
    デザイン会社されているのですか!すごいです。(尊敬〜)
    ラインゴールドといいますか、DB103、いいですよね。
    O系・ETR450的な感じがして、
    良き時代という感じがします。
    ケルンにまだ残っているんですね!
    (と、いいますか、赤地白文字になっていたのですね…)
    なんだか旧TEEを探す旅…とかもしたくなります。
    ドイツも鉄道王国ですから、
    是非とも保存し続けて欲しいものです。

    ところで、このブログのテンプレートで
    皆様のリンクを表示する方法が分かりませんで(汗)
    ご迷惑をおかけしております。
    こちらに貼らせて頂きますので、皆様、ぜひ!
    http://gold.ap.teacup.com/line/

    コメント by 詠 — 2009 年 3 月 2 日 10:09 PM
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