観光名所としての駅〜ケチケメート
日本でも駅自体が
ちょっとした観光の目的となる事があります。
例えば、以前ご紹介した嘉例川(かれいがわ)駅とか
門司駅なんかもそうですし、東京駅もそうかもしれません。
ヨーロッパでは以前、キングスクロス駅やテルミニ駅を
ご紹介しましたが、同様にパリ・モンパルナス駅を
あげる人も多いのではないでしょうか。
私のおすすめとしては、ミラノ中央駅、
あれが美しくてとても印象に残りました。
ミラノのあるロンバルディア州や隣のピエモンテ州は
秋になると霧がよく出るのですが、
私が訪れた9月末、ミラノを発つ日も霧でした。
霧の中に浮かぶ、真っ白な駅舎は域を飲む程に美しかったのです。
あとは、ちょっとダークホース的にブダペスト西駅でしょうか。
ブダペストには大きな3つの駅があり、
それぞれ違った外観をしていますが、
西駅は鉄とガラスの無機質な美しさを持っています。
なんと設計はエッフェル建築事務所。
そりゃあ、鉄を使わせたら最高でしょうね〜
さて、上の写真は今回の主役、ケチケメート駅です。
ハンガリーのケチケメートは何回か名前だけは出ている町です。
独自の様式の19世紀末建築の町としても知られていますし、
プスタと呼ばれる、ハンガリー大平原の
荒れ地観光の拠点でもあります。
プスタはハンガリーの原風景とも言える場所で、
今は大きく2箇所が残されています。
草原のプスタ、ホルトバージと砂地のプスタ、ブガツです。
このケチケメート近くにあるのはブガツで、
ここからミニトレインでブガツので行くこともできますし、
ウィーンや日本から大平原観光のツアー等に乗ると
たいていはこのブガツ・プスタに行くこととなります。
今はかつての荒れ地を土壌改良した農業の盛んな地域で
アンズやアンズで作るお酒、パーリンカでも有名です。
材料が良いからか、ここで食べた食事は、私の生涯の中でも
美味しい食事ベスト5に入ると思います(笑)。
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さてさて、そんなケチケメートの駅、正面口の上に
コダーイ・ゾルターン通 7番
という住所表示がくっ付いています。
コダーイ・ゾルターンと言うのはあの、コダーイです。
西洋音楽の中に、ハンガリー固有の音階を取り入れた
バルトークと並んで有名な作曲家のコダーイです。
どちらかというと西洋的なバルトークより、
私はコダーイの哀愁の混ざったような曲が好きです。
ハンガリーと日本は似ている所がとても多いのですが、
ハンガリーの音楽は日本の民謡ととても良く似ていたりもします。
指揮者のコバケンさんがハンガリーで大変支持があるのも
共通の音楽性を見い出しての事ではないでしょうか。
.
駅舎をぐるっと回ってみましょう。
写真の左の方に何やらプレートと花輪があります。
なんと、このケチケメート駅の駅舎、
ここがコダーイの生家なのです。
コダーイの父親はかつての国鉄の駅長さんだったらしく、
ゾルターンはこの駅で生まれたのです。
おおおーーー
でも鉄道員ではなく、音楽家になったのですね。
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なんと!駅舎がコダーイの生家なんですか!
びっくりです。
コダーイやバルトークはいいですね。
何か哀愁を感じるメロディ、和音がいいですね。
弾いているとロマの気分になれます。
コダーイで思い浮かぶのはハーリ・ヤーノシュかな?
私はバルトークが好きです。ルーマニア民俗舞曲が大好きです。
ポン・ションさん、こんばんは〜
コダーイが駅舎に住んでいたと聞いていたので、
記念碑のようなものを探して駅を回ってみました。
元々R.シュトラウスの交響詩が好きだったので
ハーリ・ヤーノシュのような物語のある曲は好きです。
ありがちにチャルダッシュのような舞曲や
ツィンパロムが好きなので、ハーリ・ヤーノシュだと
「間奏曲」が特に好きです。
あとはガランタ舞曲とか。
コダーイはお父さんの転勤で
ガランタにも住んでいたそうで、こうやって
いろいろな地方を転々とするうちに
各地の民謡を収集する素地ができたのかもしれません。
バルトークは「3つのハンガリー民謡」ぐらしいか
聴かないのですが、国際特急バルトーク・ベーラ号には
なぜかよく乗り合わせます(笑)。